【書評】「うからはらから」 阿川佐和子

こんにちは。ぴよちゃんです。

 

あまりにも咳が治らないので、耳鼻科に行ってきました。
抗生物質もらって飲んだからか、だるくてなにもやる気がしませんな。

さて。本日の読了本。
うからはらから」 阿川佐和子さんです。

この小説は、登場人物が順番に語り手になっていくスタイル。
それぞれが自分の事を語りながら、「家族」とは何だろうと考えさせる小説です。

小説の中にはステレオタイプの家族は一つも出てきません。
離婚したり、再婚したり、連れ子がいたり、 シングルマザーになったり、ゲイになったり。
血縁関係がないのに父親面したり、母親の呪縛を断ち切るために離婚したり、誰かが亡くなったり。

「うから」というのは親族・同族、「はらから」は同胞・兄弟姉妹の意。
「はらから」はのちに血のつながりがなくても深く親しい兄弟姉妹のような間柄をも指すようになる。

このタイトルが示すように、血のつながりがあろうがなかろうが、ゆるやかにひっついたり離れたりしながら、「家族」というものを形成していく。
タイトルの意味を考えながらラストページの倫土の独白を読むと、ぐっときますね。

あともう一つ、心に残る言葉。
「阿留辺幾夜宇和(あるべきようわ)」
高山寺(鳥獣戯画のお寺ですね)に残る、明恵上人の遺訓だそうで、この小説では

「人はそれぞれの立場で、自分のあるべき姿ある。理想ばかり追うんじゃなく、今の立場をまず大事と思って、どうするか考えていきなさい」

と説明されています。
(香港人のロバート周さんの説明なので、日本語がぎこちないのです。タイプミスじゃないよ)

こういう宗教的な言葉は、それぞれの人に寄り添いながら、指針を与えてくれます。
ざっくりとした言葉だから、どうとでも解釈できる。
だからこそ、自分の進みたい方向へ背中を押してくれる。

さすが阿川佐和子さんで、ベッドシーンがあってもいやらしい感じがまったくしません。
また久しぶりに、阿川さんのエッセイ本を読みたくなったな。
エッセイがまた、面白いんだなー。

うから はらから (新潮文庫)
阿川 佐和子 新潮社 2014-02-28
売り上げランキング : 405391

by ヨメレバ

 

 

ランキングに参加しています

スポンサードリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です