【書評】わかったような、わからんような……「仏教が好き」 河合隼雄×中沢新一

こんにちは。ぴよちゃんです。

本日の読了本。
仏教が好き!」 河合隼雄×中沢新一です。

じつはこの本、かなり前に読み終わっています。
でも、あまりにも内容が難しく、全然理解できていなくて、書評書けるような状態じゃない(笑)
私には、宗教も科学も心理学も哲学も素養がないからねえ。そりゃ、理解はできないわ。

 

と言うわけで、自分の理解した範囲で、印象的だったことだけ書こうと思います。

 

この本は臨床心理学者の河合隼雄さんが、宗教学者の中沢新一さんに仏教についてのレクチャーを受ける、という形の対談本です。

対談本なので、優しい言葉で書かれてはいるのですが、やはり凡人には内容が難しい(笑)

 

世界の大きな宗教としては、キリスト教、イスラム教、仏教の3つがあります。

キリスト教とイスラム教は、「完全に超越した神に対して下の方に人間や自然がいる」という構図なのに対し、仏教はそういった「完全に超越した存在」がいない

 

キリスト教やイスラム教では、どんなに努力しても神と同等にはなれないけど、仏教では頑張って悟りを開けばブッダと同等になれるんですね。

 

神道と仏教がごっちゃになっちゃいますが、先の戦争で「戦死したら靖国の神に」というのは、神道的でもあり仏教的な考え方でもありますね。

たぶん、神が「超越した存在」であるキリスト教圏の人には、理解できない感覚なのでしょう。

「靖国の神」というのは、そういうものではないと、日本人ならなんとなくわかるんですよね。

まあ、ただの反日プロパガンダとして靖国参拝を叩ている国もあるだろうけどね。

 

「あまりにも神が超越しているから、人間が神に変わって地球を支配しなければ」

今まで世界は、そんなキリスト教的なものの考え方で発展してきたけれど、これからは仏教的な考え方も取り入れていかないと、世界は行き詰まってしまうのではないか、と お二人はおっしゃっています。

 

キリスト教は「イエスの迫害」が宗教の根底にある。なので、
「『真理』は常にいじめられるものだから、『真理』を守るために戦わなければ」
という考え方になる。

西洋医学も、「病気と戦う」というスタンスですよね。

イスラム教もやはりムハンマドが迫害されているから、「真理のために戦う」という姿勢になります。

 

一方、仏教は泥の中に咲く蓮が象徴となっているように、

「どのような場所でも『真理』は汚れない」

と考えるそうです。

それに加えて、ブッダは迫害されなかった。だから、戦闘的なスタンスの宗教ではないわけです。

 

また先の戦争と絡めますが、仏教&神道が根付いている日本が急速にキリスト教的な考え方を取り入れたことで、戦争の道へとひた走ってしまったのかなあ、と言う感じもします。

当時は食うか食われるかだったから、どうしても急速に変わらなければのだけれど。

 

この本の中で、とても象徴的だったこと。

イスラム教は偶像崇拝を禁じ、装飾もなるべくそぎ落とそうとするシンプルな宗教。

一方、キリスト教の中でもプロテスタントは、シンプル志向の宗派だそうです。

そのプロテスタントが海を渡り、アメリカという合理的な資本主義国家を作るわけですが……。

 

憎しみ合っているイスラム原理主義とアメリカのプロテスタントが、元は同じ「シンプル思考」 なのですね。

 

この本の中でも「イスラムとプロテスタントは鏡を挟んでみる宗教だ」と述べられています。

思考の形やものの考え方が全く同じなのに、すべてが反対を向いている、と。

「まったく同じだから憎い」「反対を向いているから憎い」
って感じになっちゃうんですね。

 

そりゃ、やっぱり仏教的な考え方を取り入れていかないと、イスラム対プロテスタントの大きな戦争が起きちゃうわ。

安保法案も通りそうだし、日本は神道仏教国としてイスラム教とキリスト教の調整役を買って出るのがいいんじゃないでしょうか。

 

2点目に印象的だったのは、「仏教は『楽』を求める宗教だ」ということ。

食物連鎖から外れた人間だけが、「楽」というものを追求出るはずなのに、「お金が欲しい」「名誉が欲しい」とあくせく働き、嫉妬したり落ち込んだりして自分を苦しめている。

前に前に突き進むのではなく、せっかく人間として生まれてきたのだから、「楽」になれる方法を考えましょうよ、という考え方。

 

競争力がないと淘汰される、とあおられる現代。みずから食物連鎖の中に戻っていくようなものですね。

心を病んで、仏教にすがったりヨガや瞑想をしたりという人が世界中で増えてきているのも、自然の流れなのかもしれません。

 

3点目に心に残ったことは、仏教は「胎蔵界曼荼羅」、西洋風にいえば「マトリックス」の考え方をする、ということ。

 

キリスト教世界では、頂点に神がいてトップダウン方式に動いていくけれど、仏教はそうではない。

曼荼羅は仏があちこちにいるけれど、中心になって指令を出している神仏はいない。

みんなが自由気ままに動いているけれど、テレパシーのようなものを出し合って、全体としてまとまって行動している、という考え方。

 

人体でいっても、細胞一つ一つがそれぞれ動いているけれど、全体としてきちんと人体を作り上げている、という感じでしょうか。

 

ほんと、宗教や哲学というのは難しく、わかったんだかわかってないんだか、という状態ではありますが。

たまにはこういう宗教的な本を読んで、自分の思考を大きく広げていくのは楽しいものです。

仏教が好き! (朝日文庫)
河合 隼雄,中沢 新一 朝日新聞出版 2008-06-06
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