こんにちは。ぴよちゃんです。
今日の読了本。
「ウエザ・リポート 見上げた空の色」 宇江佐真理さんです。
髪結い伊三次シリーズの時代小説作家さんですね。
この本も、先日読んだ小川洋子さんの「カラーひよことコーヒー豆」 同様、エッセイ集です。
見上げた空の色―ウエザ・リポート | ||||
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「上品なやさしいおばさま」的なイメージだった小川洋子さんのエッセイに対し、
宇江佐真理さんは、「ちょっと意地悪な視点を持ったおばさま」っぽい本でした。
ほめてるんですよ? 作家さんには意地悪な視点があると面白いですから。
時代物を書く作家さんって、「江戸っ子」が多いんですよね。池波正太郎さんとか。平岩弓枝さんとか。
江戸や東京のことを肌で知っているから、小説にも「江戸」がにじみ出る。
藤沢周平さんは江戸も書いたけど、出身の庄内をモデルにした「海坂藩」ものが高く評価されています。
要するに、みんな「ホーム」の事の方が書きやすいし、小説に雰囲気も出るわけです。
ところが。
宇江佐さんは、江戸を舞台とした時代物を中心に書かれていますが、ご自身は北海道函館在住。
アウェーの「江戸」を書く事自体がチャレンジだし、きちんと「江戸」の雰囲気を醸し出しているのがすごいです。
ともすれば「作者が江戸っ子」ということ自体が高く評価されやすいけれど、
「江戸」という舞台を架空の理想郷として描ける、「地方出身の時代物作家」さんがもっともっと評価されるといいですね。
あ、でも昨日の畠中恵さんも、東京出身じゃなかったわ。
要するに、作者の出身で作品を判断するのではなく、作品自体を楽しみましょう、ってことで。
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