【書評】「もしかしてうちはおかしい?」と思ったら読んでみて。 「ゆがみちゃん」 原わた

こんにちは。ぴよちゃんです。

今日はコミックエッセイ。
ゆがみちゃん」 原わたさんです。

いわゆる「毒親」の本です。
以前にも、「毒親」の書評を書きましたね。
生きづらさを感じている人、子どもを幸せにしたい人は必読。「母という病」 岡田 尊司

「ゆがみちゃん」は、マンガ形式で毒親について描かれているので、とっつきやすいと思います。
幼少期から家族に苦しめられてきたゆがみちゃんが、行きつ戻りつしながら自分と向き合い、毒家族から逃げるまでのお話です。

 

毒親ってなんだ?

最近、「毒親」という言葉をよく聞きます。「毒になる親」という意味です。
ここ近年出てきた言葉なので、「最近の親は……」と言われそうですが。

そうではなく、先祖代々この「毒」は受け継がれて来たのです。
むしろ、男尊女卑や家父長制、儒教的な考え方が根強かった昔の方が、毒親は多かったでしょう。

 

兄弟差別
容姿をバカにする
子供の感情や価値観を認めない
感謝を執拗に要求する
宗教の強制
人格否定
暴言
経済的支配 等々

子供を心理的に(時には身体的に)虐待し、問題の責任を子どもに押し付ける
「自分が正しい」と思いこんでいるため、まったく話が通じない、といった特徴があります。

 

自分が毒されていないか

とくに子どものうちは、自分のうちしか「家族」というものを知りません。
たまにお友達のうちにお邪魔したり、成長してからも、結婚して配偶者の家族と接したりする程度。
自分の親が「毒親」かどうかというのは、主観的にはなかなかわからないものです。

そこで、著者は以下の3点で自分を振り返ってみては、と提案しています。

先入観
物事を考えるとき、「年長者を敬うべき」「親はすべて正しい」という、儒教的なバイアスがかかっていないか。
儒教的な考え方を押し付けてくる親は要注意。

罪悪感
毒親は巧みに子どもの罪悪感を刺激して支配しようとする。
「あなたのために言っている」「親を見捨てるのか」「これが一般常識」
などと、子供に罪悪感を植え付けようとする。

自己犠牲
日本は特に、自分を犠牲にして他者に尽くすことを強要されがち。
生きづらいほど自己犠牲をしているのなら、毒されている可能性大。

 

健全な家庭で育った人との認識の壁

なぜうちに「毒親本」が何冊もあるかというと……。
じつは、うちの夫の実家が「毒家族」だったからです。

といっても、私は夫から「うちの親や祖父母は毒親だった」と聞いただけ。
姑は、夫の仕事中に何度も電話をかけたり、「なぜおまえはもっと親に尽くさないのだ」的なことを言っていたようですね。

「ようですね」というのは、私自身は姑から嫌なことを言われたりされたりしたことがないからです。
私にも電話はしょっちゅうかかってきましたが、世間話してただけだしね。
イヤミを言われたり、「介護しろ」なんて強要されたことはありません。

ちなみに、夫は「よくやるなあ」と私が思うくらい、よく母親の面倒を見ていました。
決してほったらかしではありませんでしたよ。

一方、私の家庭環境がどうだったかと言うと。
両親の夫婦喧嘩が多く、寂しい思いや「離婚したらどうしよう」という恐怖感はありましたね。
多少、兄弟で男女差別的なこともあったし、父親がからかい半分に容姿をバカにするようなこともありました。
でもまあ、「毒親」というレベルではないと思います。

お互い、そういう育ち方だったので、夫が「うちの親は毒親」と言っても、私はよく理解できていないところがあります。

この本でも、ゆがみちゃんが婚約者や婚約者の両親に
「親御さんに、結婚することをちゃんと報告しなさい」
と言われて、苦しむ場面が出てきます。

健全な家庭で育ってきた人には、「毒親」がどんなものか理解できない。
ただの「親子喧嘩」や「子ども側の甘え」「中二病」と受け取られてしまうこともある。

「家庭とはあたたかいもの」という先入観は、毒親育ちの人をますます苦しめることになるのです。

 

毒親対策四種の神器

たとえ親であっても、いや、親だからこそ、「毒」だと気付いたら距離を置かなければいけません。
毒親から逃げるために、著者は「四種の神器」を提案しています。

証拠
自分が親に何をされたか。第三者にも説明できるような具体的な証拠をそろえましょう。

理解者・仲間
家族以外の人がいることで、親が子供に手出ししにくくなります。
理解者がいることで、子供が自立したり問題を克服する足がかりになることも。

知識
「毒親」とはどんなものか。
自分の家庭はどういうふうに一般家庭と違っているか。
それを克服するにはどうすればいいのか……。
知識は大きな武器になります。

経済力
経済的に自立していれば、毒親から離れて暮らすこと
ができます。

 

過去・現在・将来を認め、考える

本書でとても印象的だったのは、

「今まで人生は、ゴールのある一方通行人生ゲームだと思っていた。でも違う。過去・現在・未来複合型の自由なテーマパークなのかもしれない」

つまり、今までは「目的をクリアする」のが人生だと思っていたけれど、人生と言うのは「楽しむこと」が目的なのではないか、と著者が気付くのです。

過去の自分の感情を受け入れ、現在の自分自身を認識する。
そして、将来の可能性に思いをはせる。それが人生なのではないか、と。

 

自分が「毒親」にならないよう、内省しよう

ゆがみちゃんが自分を振り返り、権威を振りかざしてくる父親に

「お父さんは『親から逃げられない』というけれど、じつは自分がおばあちゃんから逃げたいのではないですか? おばあちゃんの事を尊敬していますか?」

とメールを書きます。
それまで、執拗に抑圧してきた父親から、

「ありがとう。大丈夫です。体に気を付けて頑張ってください」

という、今までとは違った返信が届き、それ以降ぱったりとメールをしてこなくなったそうです。
ゆがみちゃんの自己内省が、父親にもいい影響を及ぼしたのかもしれません。

「自分は子どもたちにとって『毒親』ではないだろうか」

親としての役割を勘違いして、子供を服従させようとしていないだろうか。
どこまで甘えさせて、どこから自由にさせるのがいいのだろうか。

子供の要求をすべて聞くのも違うし、何もかも「大人が正しい」というのも違っている。
とくに最近は社会全体が、「しつけ」と称して子どもをコントロールしようとしている感じがします。

社会と子供のかかわり。
親と子供のかかわり。

自分でよく考え、バランスを模索していかなければならないですね。

 

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