【書評】会社とは誰の物だ!? 「町工場強さの理由」

こんにちは。ぴよちゃん(マノヒロミ)です。
今日はいつもと毛色が変わった本を。

決断力にわくわくする

ひとに勧められて読んだ本。
自分では絶対手に取らなそうな本ですが、読んでいてワクワクする本でした。

 

この本の著者梅原勝彦さんは、「町工場のおやじ」
小学校を卒業して職人になり、「エーワン精密」という町工場を立ち上げ、株式上場までしてしまいます。

「いつか絶対親方になる」

そう信念を持って生きてきた梅原さんは、ビジネスチャンスを見つけるとためらわず行動。
なんと、新婚旅行から帰った直後、それまで勤めていた会社を辞めて起業してしまうのです。

起業した後も、好況と不況の荒波を乗り越え、カムやコレットチャック市場で圧倒的なシェアを持つ会社に成長させました。
(「カム」は機械部品の方向を変える装置、
「コレットチャック」は、機械で金属を加工するときに、材料や工具を固定する物ですね)

「終身雇用はあたりまえ」
「不況だからといって、安易に値下げをするな」
「ものづくりに工程管理など必要ない」
「デジタル化するところとアナログでやるところを間違えるな」
「製品のチェックや検査はしない」
「税金は気持ちよく払う」
「世襲は必ず行き詰まる」
「給料は年功序列」

梅原さんの経営は、世間で「よい」と言われていることの真逆をやっています。

中でもおもしろかったのが、「工程管理をしない」というところ。

現代では、何事も「デジタルで管理する」のが良いとされますよね。
が、梅原さんの考え方は違う。
工程を考えパソコンに入力している時間にさっさと製造に取りかかれば、納期を短くできるではないか、と。

グズグズ工程管理をしないことで、
「図面を見せたら勝手に製品をつくる機械を持っているのではないか」
と疑われるほどの短納期を実現しているそうです。

短時間で製造できれば、人件費もかからないし、たくさんの注文をさばける。
短納期で製品価格も抑えられているとなれば、あちこちから注文が殺到するのも当然です。

町工場あってこその「ものづくり日本」

「日本のものづくりはすばらしい」

世界からもそう賞賛されるし、日本人自身も「ものづくり」には自信と誇りを持っています。

「ものづくり」の代表として、大手自動車メーカーや家電メーカーの名が上がります。
でも、大手メーカーが利益を上げているのは、町工場の支えがあってこそ。

その一方で、「効率化」の名の下に、大手メーカーは町工場にムリを強いています。

自分たちが在庫を持たないようにするため、下請けに厳しい納期を指定する。
ムリな値下げを強要する。
厳しい品質管理を要求する。

大手メーカーの要望に応えるため、下請けは24時間体制で働いたり、ほとんど利益がでないような金額で納品したり。

このようなムリを続けたために、町工場はどこも疲弊しきっているそうです。
梅原さんの見たところ、町工場の5割が廃業待機状態だ、と。

町工場が倒れてしまったら、大手企業も立ちゆかなくなります。
「人件費の安い外国から仕入れればいい」

という意見もあるかもしれませんが、やはり外国では短時間で精度の高い物を作るのは難しい。
けっきょく、時間がかかったりやり直したりで、製品の価格に跳ね返ってしまうそうな。

日本の製造業全体を守るためにも、町工場にムリな要求をしてはならないし、
町工場の方も安易に要求をのんではいけない、と梅原さんはおっしゃっています。

会社は株主のもの?

梅原さんは本の中で、「社員重視、株主軽視」とはっきり断言しています。

村上ファンドが注目され始めた頃からでしょうか。
いまではすっかり、「会社は株主のもの」という風潮になっていますよね。

 

私もこの風潮はおかしいんじゃないか、と常々思っていたのです。

「株主」っていうのは、本来「その企業が好き、応援したい」と思ってお金を出すものでしょう。
こういう、純粋に「応援したい」という株主さんは、私も好感を持っています。

でも、「社員にムリをさせてでも、株主に利益を還元せよ」と威張る株主はおかしい。

株主が出しているのは「お金」だけ。
それに対して、社員は「時間」も「技術」も「頭脳」も会社に捧げているのです。

会社に貢献している社員をないがしろにして、お金しか出していない株主を優遇するのって変ですよね。

今の「株主偏重」のあり方は、ぜひどこの企業も改めてほしいな、と思います。

現代の会社のあり方を見直す契機になる

いままであまり読んだことのないジャンルの本でしたが、
著者がどんどん出世していく様子にワクワクしたり、日本の企業のあり方を考えさせられたり。

製造業のことにまったく知識がなくても、小説を読むようにすらすら読めてしまいましたよ。
おもしろい本なので、ぜひぜひ読んでみてください♪

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